見積もり技法
定義
プロジェクトの規模・工数・期間・コストを事前に予測するための技法。見積もりは予測であり、不確実性を認識した上で継続的に精度を上げるものである。
なぜ重要か
見積もりは常に間違える。問題はどれだけ間違えるかを知ることにある。
「不確実性コーン(Cone of Uncertainty)」: プロジェクト開始時は見積もりが実際の4倍ズレる可能性がある。詳細が判明するにつれて誤差が縮まる。これは見積もりの失敗ではなく不確実性の本質的な性質。見積もりは1回ではなく、情報が増えるたびに繰り返し更新するものである。
主要な技法
| 技法 | 特徴 | 適用タイミング |
|---|---|---|
| ファンクションポイント(FP) | 機能の数・複雑さで規模を測る(言語非依存) | 要件段階から適用可能 |
| プランニングポーカー | チームで相対的な複雑さを合意する | スプリント計画 |
| t-shirt sizing | XS〜XLで素早く大まかに分類 | 初期のバックログ整理 |
| COCOMO | 過去データから工数・期間を推定 | 大規模プロジェクトの初期計画 |
見積もりの罠
- 学生症候群: 締め切り直前まで開始しない傾向
- パーキンソンの法則: 仕事は与えられた時間を全部使う
- 楽観主義バイアス: 「自分のチームなら早く終わる」という過信
- スコープクリープ: 小さな追加要求が積み重なって工数が膨らむ
適用場面
- プロジェクト開始時の計画作成
- スプリント計画でのストーリーポイント見積もり
- ステークホルダーへのスケジュール提示
関連概念
出典
実践ソフトウェアエンジニアリング(Pressman)第25章